FASHION / 2022.12.12

『マヌエラ』主演・珠城りょうさんと巡る心斎橋PARCO(3/4)

『マヌエラ』主演・珠城りょうさんと巡る心斎橋PARCO

1月15(日)~23(月)に東京・東京建物Brillia HALL、1月28(土)・29(日)に大阪・森ノ宮ピロティホール、1月31日(火)に福岡・北九州芸術劇場大ホールで上演される舞台「PARCO PRODUCE 2023『マヌエラ』 Iam a dancer. Love me?」。その作品にて、宝塚歌劇団退団後に舞台に初主演する珠城りょうさんが、心斎橋PARCOでショップクルーズに。

お芝居の役柄に合わせて香水を変えるなど、役作りの随所にこだわりがあるという彼女。お仕事とプライベートで使い分ける香りや、シンプルなファッションが好きだという彼女が選ぶアイテムとは? 初主演となる舞台への意気込みなどを聞いてみました。

  • Interview & Text
    Nahoko Kuroda
  • Photo
    Kazuki Watanabe
大戦直前、「上海の薔薇」と呼ばれた実在の日本人ダンサー、 その愛と激動の半生を音楽×ダンス×芝居で描く

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―舞台『マヌエラ』では、主人公・マヌエラを演じる珠城りょうさん。今回の舞台はどんな物語なのでしょうか。


珠城:実在した日本人ダンサー永末妙子が、国籍不明で美貌の一流ダンサー・マヌエラとして、第二次世界大戦直前の上海を舞台に、どのように過ごしていたか。その激動の半生を描いています。そこにはラブロマンスもあって、それを音楽とダンスとお芝居で見せていくエンターテインメント作品になっています。


―宝塚歌劇団を退団後の本格的な舞台、しかも主役。共演するキャストもスタッフも豪華な面々がそろっていますね。


珠城:パルコプロデュースの作品に出られることがまず嬉しかったです。もともと演劇が好きで宝塚歌劇団に在籍しているときもミュージカル以外の作品もたくさん観に行っていたので、こういった作品に挑戦させていただけるのは非常にうれしいし、やりがいがあります。共演者の方々も作品に対する熱量がすごく高くって。事務所の先輩である渡辺大さんもいらっしゃいますし、演劇的な部分は勉強になることしかないですね。演出を手がける千葉哲也さんは役者としても出演されています。普段から観客として舞台を拝見していた方に演出していただけるだけでも楽しみだったのに、まさか一緒にステージに立てるなんて思ってもいなかったので、いろんなことを吸収していきたいですね。

―今回の作品は激動の時代を生きた実在の人物。舞台の中で大切に伝えたい部分はどんなところでしょうか。


珠城:台本を読んだときはかなりヘビーな内容に、これが現実に起きていたのかとショッキングな部分もありました。でも、暗い時代背景のなかで混沌とした様子だけでなく、お話のなかの人たちは立場や国籍が違えども、みんな何か希望をもって今という瞬間を必死に生きているんです。マヌエラという女性も異国の地で生きていくなかで、いろんな葛藤がありつつも必ずどこかに希望がある。彼女は「上海の薔薇」と呼ばれていたのですが、それはただダンスが美しくて妖艶な姿だけでなく、彼女自身の生き様や人間性がとても気高くて美しいものだからこそ、そう表現されたものだと思うんです。今のこの時代に上演する意味が必ずあるはず。彼女の情熱的な部分、色んな人と出会い成長していく。そういったものを踊りだけでなく言葉も通して伝えたい。大切に演じていきたい部分です。

―今作はダンスや音楽の要素がふくまれた演劇作品ということですが、宝塚歌劇団と通じるものもあるのではないでしょうか。


珠城:私は今回の作品は、あくまでも会話劇がベースにあると思っています。私自身が挑戦したかったことでもあるのですが、舞台に人間が息づくさまをしっかりと表現したうえで、ダンスと音楽に助けてもらう。そんな感覚で演じられたらいいですね。マヌエラが「私は踊るために生まれてきたんだ」と語るシーンがあるんですけど、言葉で表現しきれないものをダンスに繋げ、音楽に繋げる。彼女の情熱的なエネルギーや感情をよりダイレクトにお客様にお伝え出来たらいいですね。