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EVENT / 2026.01.28

MeetsRegional特別インタビュー『飲めば分かるさ!』 タブゾンビ(SOIL&”PIMP”SESSIONS)×伊澤一葉×長岡亮介 酒と音楽に酔いしれるライブイベント『YOKABAN』の魅力に迫る!

MeetsRegional特別インタビュー『飲めば分かるさ!』 タブゾンビ(SOIL&”PIMP”SESSIONS)×伊澤一葉×長岡亮介 酒と音楽に酔いしれるライブイベント『YOKABAN』の魅力に迫る!
MeetsRegional特別インタビュー『飲めば分かるさ!』 タブゾンビ(SOIL&”PIMP”SESSIONS)×伊澤一葉×長岡亮介 酒と音楽に酔いしれるライブイベント『YOKABAN』の魅力に迫る!
(写真右から)ピアニスト・伊澤一葉さん、トランペッター・タブゾンビさん、ギタリスト・長岡亮介さん。心斎橋パルコB2F[TANK酒場/喫茶]前にて。
Photo
Yuto Yamamoto
Text
Itsuki Mori
Edit
Tatsuya Kuragasaki(MeetsRegional)

地元・鹿児島の魅力を全国に発信すべく、さまざまな取り組みを行っているSOIL&”PIMP”SESSIONSのタブゾンビが音頭を取ってスタートした、おいしいお酒と音楽のイベント『YOKABAN』。その大阪編が、2025年12月に[心斎橋PARCO]14階のイベントスペース「SPACE14」にて開催。初となる大阪編は、昼・夜の2部構成で行われ、いずれもソールドアウトの盛況っぷり!ピースフルで 濃厚な酒の匂いが充満するスペシャルなものに。
今回はステージ上での乾杯を繰り返し、すっかりほろ酔い状態の3人に、ライブ直後に打ち上げと称したインタビューを敢行。この“夜か晩=良い夜”に、改めてカンパーイ!

YOKABANとは?

気が置けないアーティストたちが奏でる音楽と、鹿児島の焼酎をはじめとしたお酒でおもてなしする、大人の夜の宴『YOKABAN』。キュレーターはSOIL&”PIMP”SESSIONSのトランペッター、タブゾンビが務め、ライブハウスやイベントスペース、美術館や旅館など、そのエリアのムードを纏う文化的拠点を舞台に全国巡業中。2024年にスタートし、福岡、鹿児島、東京、長崎、大阪と5ヶ所で開催。どの回も、伊澤一葉、長岡亮介をゲストに迎え、最後はセッションも行う、ゆるくてフレンドリーなイベント。

非日常感がある場所でリラックス。そんなイベントを

長岡:(本編中に飲んだお酒がまだ残っている様子で)もう焼酎じゃなくても大丈夫だよね(笑)?
――大丈夫です(笑)。本日は初となる昼と夜の2回公演でしたが、みなさんライブ中もかなりのハイペースで飲まれているように見受けられました(笑)。
タブゾンビ:いやいや、長岡くん以外はそこまで。お酒頼んでいいの? じゃあ「だいやめ」のソーダ割りの薄めをください。
伊澤: オーガニックほうじ茶割りを。
長岡:ビールをください。
タブゾンビ:(メニューを見ながら)お刺身美味しそうだな。
――今日の打ち上げ会場の居酒屋[ザ・ニューワールド]は、TVでも活躍されている鳥羽周作シェフがオーナーのお店なんですよ。
長岡:そうなんだ。僕はレバームース食べたいです。
タブゾンビ:ブリのりゅうきゅうを。
伊澤:(ドリンクが到着して)美味しそうじゃん。オーガニックほうじ茶割。
タブゾンビ:スタッフのみなさんは焼酎、好きですか?
Meets編:僕の実家が鹿児島で、焼酎を作っている家系なんです。
タブゾンビ:え、どのあたりですか?
Meets編:鹿屋市です。
タブゾンビ:鹿屋は今、熱いね~! 若い人たちがあのエリアを盛り上げているんだよね。おしゃれな感じで。
Meets編:ポツポツとお店が増えてきていますね。今日のカメラマンさんも日置(鹿児島県日置市)が実家で。
タブゾンビ:日置なんか最高じゃないですか!
――(笑)。さっそく鹿児島トークで盛り上がっているところですが、今日はライブ終わりの打ち上げトークということで、『YOKABAN』を中心にいろいろ聞かせてもらえればと思います! まずは乾杯しつつ……今日はいかがでしたか?
タブゾンビ:いやぁ、もちろん、よか晩。じゃった……。
伊澤:よか晩じゃった。
タブゾンビ:よか晩じゃったのう。
――昨日が長崎、今日の心斎橋PARCOでは2回公演と、2日で3本を立て続けにやったことで、良い(酔い)グルーヴが生まれていました。
タブゾンビ:確かに。毎回同じこと、同じ曲をやっても同じものにはならないのが醍醐味ですね。
――御三方、それぞれの酔い具合も違うんですか?
長岡:俺以外のふたりはそんなに酔ってないんですよ。俺はまっとうに、みっともないくらいに酔っ払っています(笑)。
タブゾンビ:(笑)。それこそが『YOKABAN』なんで。
――このイベントは、タブゾンビさんが伊澤さんと長岡さんに声をかけたんですよね。
タブゾンビ:そうそう。お客さんと飲みながら、曲に合わせて座ったり立ったりせずにリラックスしながら演奏を聴ける現場ってなかなかないじゃないですか。最近はかしこまってやるのがライブみたいなイメージがあるけれど、ゆるい気分でお客さんとも触れ合えるイベントにしたかった。
――そういう話を聞いて、伊澤さんも長岡さんも「やるぞ」と。
伊澤:この組み合わせがうまくいったのかな。長岡さんとは、長い付き合いで。
タブゾンビ:3人とも古くからの知り合いだし、それぞれがバンドでも一緒にやってきた仲なので。
――じゃあ互いの飲んでいる感じも理解しつつ。
タブゾンビ:そう。それと、面白いところでやれたらいいなと思っていて、普通ライブしないようなところ。福岡の老舗旅館の[大丸別荘]からはじまって、昨日は長崎の美術館、今日も心斎橋PARCOのイベントスペース。そういう非日常……っていうの?
長岡:それで合ってますよ(笑)。
タブゾンビ:良かった(笑)。非日常感がある場所でリラックスしてやりたいなと。
――イベントとしても、タブゾンビさんが監修した鹿児島の焼酎やジン、(鹿児島発の)竹のカップなども販売されていました。そういった、鹿児島の名産を紹介するのもひとつのコンセプトですか?
タブゾンビ:そうですね。鹿児島の「良かところ」をもっと外に発信したいというか、今住んでいる人だけじゃなくて、僕らからも発信できればと。例えばアルコールでは世界的に日本酒が有名だけど、焼酎はあまり知られていない。だけど、韓国でも若い人たちの間でチャミソルが流行っているように、そのポテンシャルは半端ないから。

酒のおかげで無防備になった!? 大阪公演

――大阪公演は昼夜2回公演、どちらもソールドアウトでした。めちゃくちゃ良い雰囲気でしたね。お酒の匂いがあれだけ充満している「SPACE14」は初めてでした(笑)。
長岡:雰囲気は確かに良かったですねぇ。
タブゾンビ:昨日は長崎美術館のロビーで演奏したんですけど、場所の雰囲気もあって大人な感じで。今日はみんなリラックスしていてくれたように思いますね。
長岡:会場としてはステージのあるライブハウス的な造りだったから、最初はちゃんとしなきゃなとは思っていましたけど。
伊澤:ステージの高さもあったからね。
タブゾンビ:お客さんに曲のアイデアありますか? と問いかけたら、けっこう手が上がったのは良かった。
――お酒も手伝って、ステージの高さを良い意味で感じさせない雰囲気がありました。
タブゾンビ:お酒もほぼ売り切れたんでしょう? そういうことですよ。
――タブさん的には今日のライブはいかがでしたか?
タブゾンビ:めちゃくちゃ楽しかったです……めちゃくちゃ楽しかった。
伊澤:あれ、2回言うた(笑)。
タブゾンビ:念押しでね。昨日もそうだったんですけど、やろうと思っていた曲じゃないスイッチを押してはじめてしまって(笑)。
長岡:それは言わなくて良いんじゃないの(笑)?
タブゾンビ:それこそが『YOKABAN』だから。
長岡:そんなに酔っ払ってないでしょう?
タブゾンビ:ステージが暗いからあんまり目が見えてないんだね(笑)。でも、そこで自分がはじめたもので、どう料理していくかが大事だから。冷蔵庫の中を見て今日は何を作るかな? と思うのと一緒。
――出たとこ勝負で。伊澤さんはいかがでしたか?
伊澤:まぁ、回を重ねるごとに何かを積み上げている感じはない(笑)。むしろ、毎回違うのが1番良い。それぞれのソロも、最後の即興のセッションはもちろんそうですし。
――こういう形式でのライブは他にないですよね?
伊澤:ソロだと30分の枠でやるということはないし、先にタブくんがやって、次に長岡くんがやるからどうしようとか、前後のことを考えることもない。
――選曲も先に決めているわけじゃないですよね?
伊澤:まったく。それも当日に変えたりとか。ただ、ふたりと一緒にやっていて思ったのは、それぞれ、ミュージシャンとして成長しているんだなって(笑)。
タブ・長岡:ワハハハハ!
伊澤:そこは一緒に飲んでいるだけじゃ分からなかった部分でもあったなと。それが垣間見えましたね。結局、切磋琢磨し合っているというか。
長岡:『YOKABAN』で切磋琢磨してるの(笑)?
伊澤:そう。(演奏に関しては)そのことしか考えてないもん(笑)。
タブゾンビ:どうなの長岡くんは? 切磋琢磨してる?
長岡:えぇ……、全然考えてなかったなぁ(笑)。そもそも、僕が即興でやるのはここくらいしかない。だから、セッションのときに自分の反応が正しかったかどうかは少し考える……考えるけど、最後は「ま、いっか」となる(笑)。
――今日は伊澤さんがペトロールズの「湖畔」をピアノ1台でカバーされていましたね。長岡さんも弾き語りの「湖畔」でアンサーを返したのが素敵でした。
伊澤:第2回目の『YOKABAN』でセッションしたときに、ペトロールズの「雨」を無茶振りされたんだけどうまくできなかったのが悔しくて。昔は自分のバンドでカバーしたりはしていたことはあったけれど、久しぶりにしっかりやってみようかなと。いやぁ、でも勉強になった。これ、ギター弾き語りの人ならまだしも、ピアノの人はやらない曲だと思うから。
――最後の即興パートは、伊澤さんの「お正月」からはじまりました。そこでの対応を考えているうち、酔いが覚めることもあるのでは?
長岡:いや、即興内で起きたことはミスではないという精神で乗り切っています。それをミスとして突っ込まれるような現場だったら私は耐えられない(笑)。
タブゾンビ:(笑)。むしろ酔っ払ってもらわないとね、このイベントとしてはさ。ふたりが普段見せない顔を見たいから。今、わっち(伊澤)はソロツアーもやっていて、その対比が見られるのが良いわけで。
伊澤:自分のソロだけをやっているのとは全然違うからね。今回の『YOKABAN』ではライブ終わりにサイン会をやっていて、それも含めてソロのときとはお客さんとの距離感が違う。両方の現場に来ている人は、それを感じて楽しんでくれていると思います。
――酒を飲みながら演奏をしていると、剥き出しになる感じはありますか?
タブゾンビ:いやもう、酔っ払っているのがそのまま出ているだけ(笑)。
長岡:無防備にはなっているとは思いますよ。鎧がない生身の状態に近い。
タブゾンビ:反射神経も落ちているから、石が飛んできても避けられない。
伊澤:気づいてないだけで、当たっているかもしれない。
長岡:「丸腰で何ができんだ」っていうのをさらされるステージだから、『YOKABAN』は。
タブゾンビ:っていうけどさ、そんな現場に長岡くんは(エフェクターの)ディレイ1個で来るじゃん。普通、ギタリストが弾き語りや即興で何かやろうとするなら、(フレーズを録音して反復させる)ルーパーを持ってきたりするけど、本当にエフェクターが1個だけ。そのシンプルさ、スティーブ・ジョブズか長岡亮介だよ(笑)。
長岡:ミニマリストだ(笑)。でも、ふたりも楽器1本で大丈夫だと思うよ。
タブゾンビ:いやいや!
長岡:いっぱい繋げばいろんなことができるけれど、ステージに立っているのは結局ひとりの人間だから。そこでちょっと失敗したって可愛いし、それがライブとして盛り上がれば面白いじゃん(笑)。
――みんなでライブを作っていくことが大事だ、という話が公演中でも出ていましたね。
長岡:そう。みんなで作っていく試みが面白いし、楽しいし、愛おしい。

大阪は、街全体が『YOKABAN』っぽい

――今後、どんな場所でイベントをやっていきたいですか?
タブゾンビ:お寺とか旅館とか、普段やれない、やらないところで開催したいですね。そういった環境で、演奏する人間の生き方そのものが音楽に乗ってくる場にはしたいと思っています。
伊澤:お客さんとのコミュニケーションも含めてね。それでライブ自体の価値が上がっていけば。
長岡:その方が我々だって楽しいし、お客さんも楽しいですからね。最悪、この3人だけでなくても良いんですよ。タブゾンビがいれば誰が出ても良い。
――ドリンクがさらに増えたりする可能性も? 
タブゾンビ:そうなってくると、もう音楽じゃなくて焼酎のフェスだよね(笑)。それもひとつの理想だね。いろんな酒蔵から酒を取り寄せて、俺たちがそれを飲むと。長岡くんはもうダメになってしまう(笑)。
長岡:演奏しなくても良いという許可があれば。
伊澤:演奏なし? やらないと詐欺だよ(笑)。長岡くんは普段から[カントリーハウス](赤坂にあるライブハウス)でやっているんだから、飲みながらがやるのもへっちゃらでしょう?
長岡:言い過ぎ言い過ぎ(笑)。もうチューニングが分からなくなっちゃう。
伊澤:それもいいじゃん。
長岡:それも良いか……いや良くないな(笑)。自分だったらどう? そこまで酔っちゃうのは?
伊澤:自分は嫌だ(笑)。だってやっぱりピアノとギターは違うじゃん。ギターは雰囲気を含めてうまいことできる。
――今日はもう深夜になりつつあるのでさらに飲みには行けないと思いますが、普段、大阪でよく通っているお店とはありますか?
タブゾンビ それこそここ(心斎橋PARCOB2F)と同じエリアにある[タンク酒場/喫茶]はよく行くよ。
伊澤:もう10年以上前ですけど、心斎橋のロックバー[Music Bar RockRock Osaka]には通っていた時期がありましたね。
――老舗ですね。
伊澤:そう。周年イベントにB’zが出演するような。
長岡:へぇ~。俺は天満の立ち呑み屋に何度か。
伊澤:渋いね。吉田類さんみたい。
タブゾンビ:今日もライブ前に近所をウロウロしていたときにあったよね、雰囲気の良い立ち呑み屋。
長岡:あれはヤバかった。千日前の方で、地元の人しかいかないようなところ。そこだけが猛烈に古い建物。自販機がバァーっと並んでいて。あれはさすがに入れなかった(笑)。あとは、難波の豚足がすごく美味しいところも。
――[かどや]ですね。
伊澤:またディープなところに行ってるね~(笑)。
長岡:今ね、ディープなところにひとりで行くのも勉強中なんですよ。大阪はね、すごく素敵なお店が多い気がしますね。街全体が『YOKABAN』っぽい。自分のパーソナリティを隠さなくて良いというか、許されるというか、飾らなくて良い。
――なるほど。『YOKABAN』は自然体の、ありのままの姿を受け入れる場所でもあると。
伊澤:お客さん同士もそうであって欲しい。それで仲良くなってもらったりしたら嬉しいし。
――つまり、舞台上だけじゃなくて客席でも心地よいセッションが生まれるようなイベントになっていけばベストだと。
長岡:なんだなんだ!? なんだかウマいこと言って締めくくろうとしてない? 打ち上げ終わらせようとしてない? 
(といって、まだまだ打ち上げは続いていくのでした……)。 

LIVE REPORT!!!!
昼夜2回公演となった大阪公演は、関西のカルチャー発信基地である心斎橋PARCO開業5周年イベントの一環として開催。イベントは、主宰タブゾンビによる乾杯の挨拶と、ディープで心地よいアンビエント~ドローンサウンドからスタート。続いて繊細かつ大胆な伊澤一葉のピアノソロ&弾き語り、ペトロールズのセルフカバーやカントリーのカバーを含んだエモーショナルな長岡亮介のギター弾き語りへと続いていった。
最後はイベント恒例のセッションタイムとして、お客さんからお題を募り、そのテーマに合わせて3人が即興で演奏。ときに笑いも起きるユーモラスでリラックスした雰囲気は、お酒を媒介にしたこのイベントならではと言えるものだった。

MeetsRegionalとは?

1990年創刊。関西の街で起こっているリアルな面白さを編集部が足で稼いでお届けするリージョナル誌。毎月1日発売。https://www.lmagazine.jp/meets/

2026年2月号『今こそ! THEカツカレー。』絶賛発売中

PROFILE

タブゾンビ

鹿児島県出身。SOIL&“PIMP”SESSIONSのトランペッター。
2018年から地元・鹿児島で開催されている音楽フェス「THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL」の発起人。

長岡亮介

神出鬼没の音楽家。ギタリストとしての活動のほか、楽曲提供、プロデュースなど多岐にわたって活躍。
「ペトロールズ」で歌とギターを担当。

伊澤一葉

鍵盤奏者・作編曲家。the HIATUS、Katsina Sessionのメンバーであり、多数アーティストのサポートも務める。自身のバンド「あっぱ」ではボーカルも担当。

LOCATION

ショップ名
TANK酒場
フロア
B2F
営業時間
11:00~23:00
Instagram
https://www.instagram.com/tanksakaba/
ショップ名
ザ・ニューワールド
フロア
B2F
TEL
06-6786-8292
Web site
https://sio.tokyo/restaurants/the-new-world/
Instagram
https://www.instagram.com/the.newworld.shinsaibashi/