―珠城さんは宝塚歌劇団で男役トップスターとして活躍されていたころは、高身長を活かしたダイナミックなダンスが印象的でした。今作では女性ダンサーを演じるにあたって、所作や表現の変化も楽しみですね。

珠城：男役のときは男性的に見せるために直線的な動きを意識していたんです。とくに私は、いかにシャープにスマートに見せるかに重点を置いてやってきました。今回は女性としての曲線美だけでなく、力強いなかにもしなやかさを求められると思うので、どうすればマヌエラに近づけるのか、これから研究してきたいですね。

―これまで男役として相手をリードしてきた珠城さんが、女性役として共演者とダンスするシーンも楽しみです。

珠城：確かに新鮮ですね。でも、リードする側の気持ちがわかるので、こういう位置にいたらリードしやすいだろうなってわかるので、男役をやっていて良かったなって思います（笑）。

―今作のポスターにもなっている、ビジュアル撮影で着用されていた真っ赤なドレスも印象的でした。

珠城：すごく素敵ですよね。当日の舞台の衣装にも期待していただきたいです。私はいつも舞台で衣装やヘアメイクをすると、普段見ている自分の顔とは変わるので、作品の世界観が一層広がる感覚を持つんです。今回のビジュアル撮影でもあの真っ赤なドレスを着ることで、よりマヌエラのイメージが膨らみましたね。

―今回の心斎橋PARCOでのショップクルーズでは、お香のお店に立ち寄りました。役に合わせて香水を変えると聞きましたが、マヌエラという人物像に合うのはどんな香りでしょうか？

珠城：薫玉堂では『花園の沙羅』や『鳳凰の藤』といった香りが似合いそう。ゴージャスな名前も彼女の雰囲気に合いそうです。役にイメージが膨らむ、気分を上げる香水を見つけられたらいいですね。

―音楽も脚本も、出演者も錚々たる面々で作られる作品。2023年、良いスタートが切れそうですね。

珠城：素晴らしい演者のみなさん、キャリアのある方々と一緒にお仕事をさせていただけることはプレッシャーよりも、学びしかないと思っています。たくさんのことを知り、吸収して勉強ができる。きっと意義のある作品になるはず。台本もあっという間に読み終わってしまったくらい、マヌエラの言葉ひとつひとつがより伝わりやすいものになっていて、その時代に生きてきた人々の気持ちがよりストレートに伝わるはずです。あとは私たち演者がそれを役として、言葉を発したときにどんなものになるのか。いまからワクワクしています。