ART&CULTURE / 2023.11.19

アワジトモミ | 『PARCO CHAOS JAM』INTERVIEW (1/2)

アワジトモミ  | 『PARCO CHAOS JAM』INTERVIEW

心斎橋PARCO3周年イベント『PARCO CHAOS JAM』。そのヴィジュアルのイラストを描いてくれたのはアワジトモミさん。彼女は“動くイラスト”で知られる大阪在住の新鋭イラストレーター。そのスタイルは勢いと脱力のポップ。動く姿はミョーな味わいあり。新時代のヘタウマかもしれません? 聞けば、動く絵を描き始めるキッカケは友人の結婚式だったそうです。

  • Interview & Text
    Yusuke Nakamura
  • Photo
    Yuji Iwai

ー絵を描かれるようになったのはどんな経緯で?

 

アワジ:友達の結婚式で、なれそめを4コマ漫画にしてプレゼントしたんです。それを動くアニメにして、二次会のオープニングムービーで流す、という話になり。

 

ー最初から“動くイラスト”だったんですね。

 

アワジ:それまで絵は友達への手紙にちょこっと描くくらいで。そのオープニングムービーは、絵をコピー用紙にいっぱい描いて、初めて作ってみたんです。それが2015年頃。それを見た人から、“私たちにも作って欲しい”ということになり。SNSにアップしたら、知らない人からもオファーがあり。ちょこちょこと絵の仕事させてもらえるようになったんです。

ー大阪のイラストレーター/絵本作家、寺田順三さんの教室に通われていたんですよね。

 

アワジ:それまで絵の学校に行っていたわけではなくて。なんとなくイラストレーターのようになりたいな、と思っていたけれど、絵のことを全然知らないし。そこで寺田順三さんがイラスト塾をされていることを知って通い始めたんです。寺田先生は、おもしろいおっちゃん(笑)。

 

ー(笑)おもしろいおっちゃんから絵画の心得を学びたい、と。

 

アワジ:心得もそうですし、仕事として絵の納品形式や請求方法なども知りたくて。誰に聞いて良いか? 分からないこともいっぱいあって。寺田先生からは、“絶対、絵が動いてる方がおもしろい”とアドバイスしてもらいました。“動く方が合ってる”って。

ーなるほど。今回の『PARCO CHAOS JAM』のヴィジュアルではビール、タコ、レコードなどが描かれて、動いています。描くモチーフはどのように決めていますか?

 

アワジ:うーん、深く考えていないですね。深く考えると、おもしろくないことになってしまうので。だから最初に思い付いたものをメモしていって。思い付きですね。それから動きの構成やバランスを考えます。配色も勢いで。

 

ー思い付きが大切?

 

アワジ:そうですね。最初から思い付きでしか絵を描いていなかったこともあって。自分の思い付きと絵がセットになっているというか。楽しくて描いてるだけ、ということもあり。それが今は良い感じで広まって。ありがたいことです。

 

ー好きなものじゃないと描かない?

 

アワジ:そうですね。身近なものや好きなものを描くことが多いですね。何を描いて良いのか? 悩んだ時は描きません(笑)。そんな時は、ビール飲んで早く寝て、元気になったら描きます。

 

ーイラストの動きで気を付けていることはあります?

 

アワジ:賑やかさとか? 今も昔と同じように1枚1枚描いていて。今はコピー用紙ではなく、iPadですけど。動きをどこまで滑らかにするか? カクカクするか? とかは考えていますね。

 

ーここだけは譲れないぞ、という自分のこだわりを挙げるなら?

 

アワジ:意味がないように見えること、ですかね。その方が良いですね。楽しい! 悲しい!とかシンプルな感情で描くことが自分に合っていると思っています。