ART&CULTURE / 2023.11.19
アワジトモミ | 『PARCO CHAOS JAM』INTERVIEW (2/2)
心斎橋PARCO3周年イベント『PARCO CHAOS JAM』。そのヴィジュアルのイラストを描いてくれたのはアワジトモミさん。彼女は“動くイラスト”で知られる大阪在住の新鋭イラストレーター。そのスタイルは勢いと脱力のポップ。動く姿はミョーな味わいあり。新時代のヘタウマかもしれません? 聞けば、動く絵を描き始めるキッカケは友人の結婚式だったそうです。
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Interview & TextYusuke Nakamura
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PhotoYuji Iwai
ー『PARCO CHAOS JAM』では公式ナビゲーターとしてイルカのキャラクターが描かれています。その名は“ぱるさぶろう”。
アワジ:3周年だから、“ぱるさぶろう”(笑)。もし今回グッズがいっぱい売れたら“ぱるしろう”、“ぱるごろう”も生まれるかも知れません(笑)。
ー『PARCO CHAOS JAM』のウェブサイトのデザインの感想は? いかがでしょう?
アワジ:私は昭和63年生まれで、ああいう(初期のインターネットの)時代を知っているので懐かしいのと、その世界観が好きなので嬉しいです。良い感じでデザイナーの方が自分の絵を活かしてくれて。ありがたいですね。
ーそういえば、過去にはお立ち台のギャルだったり、昭和のバブル時代をモチーフにした作品もありましたよね。
アワジ:なんか派手だったりするじゃないですか、あの時代って。ナチュラル志向になる前の時代がおもしろいと思っていて。小学生の頃もシノラーだったり、ミサンガだったり、階段を降りるバネ(レインボースプリング)が流行ってたり。カラフルなものが好きだし、それがずっと染み付いているんだと思いますね。
ー描くテイストのアイデアはどんなところから?
アワジ:昔の雑誌が好きで買ったりしていますね。『POPEYE』とか男性誌が多いですね。昔の雑誌の広告の絵とかキャッチコピーがおもしろいし。あと湯村輝彦さんが好きで。買った雑誌に湯村さんの絵が載ってたらラッキーという感じで。もともとディック・ブルーナが好き、というくらいで何も知らなかったんですけど、寺田先生のところで湯村さんのことを教えてもらいました。
ーさすが、寺田先生。今回は『PARCO CHAOS JAM』と合わせて、11月17日から開催される展示、『PARCO Wall Gallery』にも参加されていますね。
アワジ:商業施設で展示されるのが初めてなので、どんな風になるのか? まだあまり想像できないですね。今回展示させてもらうのは、50×70cmのタテの絵なんですけど、手描きした二次元コードが付いていて、それを読み取ると、その絵が動くようになってます。
ー動かない絵、だけでなく動く絵が見られる、と。その合わせ技はアワジさんらしい?ですね。
アワジ:リアルでも、ネット上でも、その場に合ったシチュエーションで、楽しんでもらえたら嬉しいです。二次元コードを読み取ってみよう、という好奇心を持ってくれた人にご褒美をあげたい気持ちで。
ーご褒美?
アワジ:興味を持ってもらって、自発的に読み取ったところに動く絵があったら、よりハッピーになると思うんですよね。それに二次元コード自体が好きということもあって。
ー二次元コードはいわば未知の扉のような?
アワジ:そうですね。魔法陣みたい。二次元コードってアナログなのか? デジタルなのか? 分からない感じも好きなんですよね。
ーでは最後に。これからどんな活動を目論んでいます? 野望は?
アワジ:うーん、なんだろ? バスとか電車とか、そもそも動いているものにレンチキュラー(見る角度により絵が動いて見えるシート)を付けて、絵が動いてる!っていう風にしてみたいんですよね。街の中の動くものを使って展示してみたいですね。まだ夢物語ですけど。
ーすぐに叶いそうでは?
アワジ:いや、公共の乗り物だったりすると、きっと市役所の人とかにもおもしろいと思ってもらわないといけないと思うので、まだまだ。もっと売れないと(笑)。
★アワジトモミさんの作品も展示されている『PARCO Wall Gallery SHINSAIBASHI』はこちら
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心斎橋PARCO 3周年イベント「PARCO CHAOS JAM」
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イベント期間2023.11.17(金)-11.26(日)
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イベント特設サイト
アワジトモミ
大阪生まれのうごくイラストレーター。 友人の結婚式のためにアニメを作ったことがきっかけになり、絵を描くことが仕事になる。 ブライダル専用アニメ「オープニングうさぎ」で検索してみてね。 うごくイラストで、世の中を元気にできればいいなと思います!