そして、大きな話題をさらった写真集『夢の続き DREAM BLUE』が作られ、発表されることに。それと同時に渋谷PARCOで写真展も開催した。

「2人ともPARCO出版が出している本が以前から好きだったんです。私たちのこの大切な写真もPARCO出版から発表できるのなら、素晴らしいアートピースになるかもしれないという気持ちがあって。写真を見せて話をしたら、私たちの想いにとても共感していただいて、写真集を出して写真展を開催することになりました。いつの時代もPARCOはアートをリスペクトされていて、アーティストが輝ける場所を用意されている。とても心強い存在だと思うし、希望だなって思っています」（水原希子）

「PARCOは写真集のデザインやレイアウトにも一切口出ししなかった。私の作品を大切にしてくれていると感じて、とても嬉しかったですね」（茂木モニカ）

できあがった写真集を見ると、そこには見たことのない希子ちゃんの表情や、思わず胸が熱くなるような美しい瞬間が並んでいる。きっとこのクリエイションは、心が通じ合い、深く繋がっていないと実現しない。希子ちゃんとモニカさん、その特別な関係が生み出した奇跡なのだと思う。

「モニカとはもう8年ぐらいの付き合いになるのかな。彼女が日本に住んでいた時は家が近くて本当によく会って、いろんな話をしていました。好きなものも似ていたし、すごく距離が近かった。モニカを見ていると、羨ましく思う時もあるんです。自分のことを大事にしているし、自身の作品に対してのパッション、譲らないプライドみたいなところは本当に尊敬しています。1%でも嫌なことがあれば途中でやめることも厭わないし、自分の想いを貫き通すから彼女の作品には説得力がある。“希子は希子なんだから、なんでもできるんだよ！”って言ってくれたり、彼女を見ているとやりたくないことに、ちゃんとNOって言うことが大切だと気付かされます。それを相手に伝えて、わかってくれる人たちとだけ仕事をすればいいと思えるようになりました。モニカは、私が自分と向き合うきっかけになってくれた人でもあるんです」（水原希子）

2人の関係性が生み出したスペシャルな作品たちは、写真集となって世に知れ渡り、写真展で多くの人の心を動かした。そんな写真展『夢の続き DREAM BLUE』が、いま心斎橋PARCOの14F PARCO GALLERYにて開催されている。

「渋谷PARCOの写真展とは雰囲気が全く違うと思います。よりコンセプチュアルに表現されていて、大自然を感じられるように、岩や石なんかもレイアウトされていて。東京でご覧になった人も、また違ったように観ていただけると思います」（水原希子）

「私が16歳から知っているレナというアーティストに空間デザインをしてもらったんです。音楽は一緒に旅をしたクリスティンが手がけてくれて。彼女たちも仕事として、という感覚ではなく、楽しんでクリエイションしてくれた。きっとこの空間から愛を感じてもらえると思うし、一つ一つの写真とゆっくりと向き合える空間になっていると思います」（茂木モニカ）

新型コロナウイルス感染症の脅威に晒される以前、だれもがあの自由な時間は永遠だと思っていた。でもそれは突然失われて、いまも私たちの手元には戻ってきていない。だからこそ、いま、彼女たちの自由で愛のあるクリエイションに身を委ねてみたい。忘れてしまいそうになる大切な感覚や自由の尊さ、それらすべてが詰まった夢のような空間がそこにはある。彼女たちと一緒に夢の続きを見るためにも、この貴重な写真展をぜひ楽しんでほしい、心からそう願うのです。