ART&CULTURE / 2024.01.05

TAPPEI | 『TAPPEI 3rd Solo Exhibition “BRAIN”』INTERVIEW (2/3)

TAPPEI  | 『TAPPEI 3rd Solo Exhibition “BRAIN”』INTERVIEW

新時代のタトゥーカルチャーを担う、と言っても過言じゃない? さまざまなコラボレーションでも知られるタトゥーアーティスト/グラフィックデザイナーのTAPPEI。現在、大阪では初となる個展が心斎橋PARCO4FのSkiiMa Galleryにて開催中。その作風はユーモアとシニカルが混じる、いわば1コマ漫画のよう。まずはタトゥーに魅せられたきっかけからお聞きしましょう。

  • Interview & Text
    Yusuke Nakamura
  • Photo
    Kazuki Watanabe

ーTAPPEIさんが描くモチーフでは天使が最も知られているとは思いますが、絵のアイデアはどんなところから?

 

TAPPEI:昔から散歩が好きで。今も毎日30分くらいかけて家とスタジオを往復しているんです。自分のタトゥーの絵は、一見ぶっとんでいるけどリアル、ということを心掛けていて。例えば、首がグニャグニャの少年でもコーヒーを飲んでいたり。どこか生活感を出すことは考えています。その生活感は散歩からヒントを得ることが多いですね。例えば、干されている洗濯物だったり、道路のマンホールだったり。

ータトゥーを描く際に気を付けていることは?

 

TAPPEI:もちろん、作品としてタトゥーを描いているんですが、タトゥーはその人の人生に残るものですよね。おまかせでお願いしてもらえることが多いんですが、希望によってその人の趣向に合わせています。自分のエゴを出し過ぎないことは気を付けていますね。同じ絵を描くのでも、肌に描く絵だからこその良さもあって。身体のこの部分に入れるからかっこいい、というタトゥーならではの面白味や魅力もあって。

 

ー肌に描くのか? 紙に描くのか? の違い?

 

TAPPEI:表現は変えますね。紙に描くのも好きですが、自分のタトゥーを見ながら、ごはん食べたりするくらいタトゥーは好きで(笑)。どちらもクスッと笑える絵が好きですね。

ーこれまでさまざまなコラボレーションをされていますが、描くメディアだけでなくアウトプットによってもスタイルを変えたり?

 

TAPPEI:そうですね。例えば、UNDERCOVERさんとのコラボの時は、ただイラストをスキャンしてプリントする、のではなくて、Tシャツに直接イラストを描いて欲しいと言われたんですね。さすがだと思いましたね。それを元にプリントするんですが、Tシャツの生地に描く、というタッチのリアルさを求めていたんですね。それは僕も共感できるし、作るもの(商品)にリスペクトがあると思いましたね。

 

ーカラーが入る作品とモノクロの作品はどう分けられていますか?

 

TAPPEI:タトゥーは一生残るものなので、色は描いた時の時代感が残り過ぎてしまうと思うんですね。それに、色の入る和彫りの文化にもリスペクトはありますが、歴史の中での一番最初のタトゥーは自分のような(線だけの)タトゥーだったと思うんですね。でも、タトゥー以外の絵は色の有る無しにこだわっているわけではないですね。

 

ーこれまで影響を受けたアーティストを挙げるとすれば?

 

TAPPEI:圧倒的にキース・ヘリングですね。あれは真似できない。簡単に描ける、と思われるかもしれないけど描けないし、そう思われること自体もスゴい。ニューヨークの地下鉄に描いたアイデアも画期的で。自分も、身体にタトゥーが入っているのはかっこいいな、というところから始まって、いろんなコラボをして、個展をして、というそんな活動もキース・ヘリングからの影響を受けていると思いますね。

 ーホラー漫画家の日野日出志にも影響を受けたとか?

 

TAPPEI:そうですね。エグいのがめっちゃ好きなんですよ。それに、昔は細かい描き込みを入れた絵も描いてたんですね。今は、パッと手を動かして描くのがリアルだと思っているので、作風は違いますけど。