ART&CULTURE / 2024.01.05
TAPPEI | 『TAPPEI 3rd Solo Exhibition “BRAIN”』INTERVIEW (1/3)
新時代のタトゥーカルチャーを担う、と言っても過言じゃない? さまざまなコラボレーションでも知られるタトゥーアーティスト/グラフィックデザイナーのTAPPEI。現在、大阪では初となる個展が心斎橋PARCO4FのSkiiMa Galleryにて開催中。その作風はユーモアとシニカルが混じる、いわば1コマ漫画のよう。まずはタトゥーに魅せられたきっかけからお聞きしましょう。
-
Interview & TextYusuke Nakamura
-
PhotoKazuki Watanabe
ーTAPPEIさんがタトゥーに興味を持ったきっかけとは?
TAPPEI:小さい頃に観た映画ですね。シーンに出てきた背中の刺青。和彫りが単純にかっこいいな、と。
ーそれは小学生の頃です? どんな映画だったのか、覚えています?
TAPPEI:小学校の低学年の頃だと思いますね。映画は、はっきりと覚えているのが北野武監督の『座頭市』。衝撃でしたね。
ー刺青を描きたくなった? 入れたくなった?
TAPPEI:その頃は刺青のことはまったく知らなかったので、あの絵なに?って両親に尋ねたと思います。その後、アウトロー系の本で、彫り師という職業があることを知って。物心ついた頃から絵は好きで、将来も描き続けられたら良いなとは考えていたので、彫り師になりたいな、と思い始めましたね。
ー小さい頃からの夢を叶えてますね。
TAPPEI:そうですね。今考えると、自分の祖父が内科医、両親が歯科医という医者の家系で、小さい頃から身体の勉強をしていたことも刺青に興味を持った理由だと思います。それに、堅い家だったのでアウトローの刺青により強く惹かれたのかな、と思いますね。
ーTAPPEIさんの作風は、最初に衝撃を受けた和彫り、いわゆる唐獅子牡丹や般若のタッチとはまったく異なります。
TAPPEI:和彫りは好きで、最初はいろいろと見たりしていたんですが、高校生になってバンドだったりスケボーだったり。そのカルチャーの影響を受けて。今でも和彫りはもちろんかっこいいと思うけど、“刺青”過ぎるというか。
ー“刺青”過ぎる、とは?
TAPPEI:僕は美し過ぎるものが好きじゃないというか。日本の和彫りは身体全体を美しく見せるものとして海外からも評価されていることも理解できるし、素晴らしいけれど、僕が好きなタトゥーはひとつずつ増やしていくようなタトゥーなんですね。例えば、フィギュアを集める感覚に近いというか。それが僕のスタイルで。作風もユルい絵だけじゃなくて、これまでいろいろ描いてきたんですね。神戸の芸大に入っていたので。