ART&CULTURE / 2021.11.28
「RE:CULTURE もう一度、パルコ。」心斎橋PARCOの1周年イベントに潜入!〜アートに触れて、明日からも刺激的な毎日を!編〜(1/4)
心斎橋PARCOは、11月20日に開業から1周年を迎えました!「Re:Culture もう一度、パルコ。」の周年キャッチコピーを掲げ、オープン当初のテーマ「コロナ禍の時代のだからこそ、“こだわり”、“彩り”のある〈モノ〉や〈コト〉、感性を刺激する〈アート/カルチャー〉を大切にし、表現していく。」に再度立ち戻り、 大阪・心斎橋を盛り上げていくべく、全館一体となって1周年キャンペーンを開催中。
そこで今回は、記念すべき1周年の門出にふさわしい、刺激的なアートイベントをご紹介。気鋭アーティストによる新作や世界を席巻した大人気展まで。それぞれの魅力に迫ってみました!
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PhotoKazuki Watanabe
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Text&EditKento Onishi
「Rei Nakanishi Exhibition "VESICA PISCIS”」 ※B1F/11月30日(火)まで
B1F・PARCO POP UP GALLERYでは、現代アーティスト・中西伶さんの新作展示「VESICA PISCIS(ヴェシカパイシース)」が11月30日(火)まで開催中です。
2016年に渡米し、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動しているアーティスト・山口歴さんのアシスタントとして従事していた中西さん。美術史の文脈と真摯に向き合い、常に挑戦を続ける彼が、本展のために描き下ろした作品はいかにして生まれたのか、話を伺いました。
―中西さんの作品といえば、色彩がとても印象的でしたが今回は白と黒がベースになっていますね。
これはどういったきっかけで生まれたのでしょうか?
―モチーフにスカルとフラワーを扱っているのは?
昔の画家も扱ってきた伝統があり、モチーフとして価値があるものだからこそ、描き続けたいテーマです。僕の作品では、手法としてプリンティングとペインティングを組み合わせているのですが、これはデジタルとアナログの相反する技法を組み合わせることで完成させています。さらに、スカルとフラワーという生と死を彷彿とさせるモチーフを、白と黒のみで描く。一見、真逆に思える2つのものが、引いてみると同じ物でありひとつのものとしても捉えられると思うのです。
―表裏一体のような。白と黒といっても、単純に2色ではなくその間にはグレーゾーンがありますしね。
そうなんです。白と黒にもグラデーションがあり、ひとつの同じ色とも言える。異なるものを同時に扱って、ひとつの作品を完成できることを証明したかったんです。特に、プリンティングの技法を使うことで絵画としての価値は認められにくくなる事があるかもしれませんが、そこに挑戦することで作家としての自分に磨きがかかるのではないかと思っています。そういった現代の技術を扱う事自体をテーマにしているのは、作家としての自分の課題として挑戦し続けられる事を選んだところがありました。それぞれの良さをすり合わせながら自分の絵を更新していきたいと思います。
―もしかすると、今後は違った技法にチャレンジする可能性も。
絵のクオリティや価値を更新していくことができるなら、必要なものは受け入れて使っていきたいですね。今まで証明されてきた価値だけで天井を決めたくないから、こういう作品を描いてきたので。今までの絵画が好きだった人にも届ける格式を持ちながら、新しいものを作り続けたいなと思います。
初公開となる作品は、中西さんが今日まで考え抜き、追求し、挑戦を続けてきた現在の到達点ともいえます。これからもアップグレードを重ねていく彼の今後に期待を膨らませつつ、現時点での最高値をぜひ体験を。
直でしか伝わらないスケール感と迫力、そして細部に宿るテクニカルな魅力と繊細さをじっくりと感じてみてください。
■Rei Nakanishi Exhibition "VESICA PISCIS”
期間:開催中〜2021年11月30日(火)
※最終日は18時閉場
会場:B1F/PARCO POP UP GALLERY
料金:無料
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