FASHION / 2023.05.04

FACETASMデザイナー 落合宏理インタビュー(1/3)

FACETASMデザイナー 落合宏理インタビュー

日本を代表するブランド「FACETASM」のデザイナーであり、2021年よりスタートしたファミリーマートのオリジナル「コンビニエンスウェア」の監修を務める落合宏理氏。落合氏と大阪はあまり紐づかない気がするけれど、実は20年以上前から大阪には馴染みがあったという。BOREDOMSのEYƎ氏とFACETASMのカプセルコレクションのリリース前日、心斎橋PARCO店に訪れた落合氏にファセッタズムをはじめとしたクリエイション、そして大阪のことを聞きました。

  • Interview & Text
    Masashi Katsuma
  • Photo
    Shimpei Hanawa
—2023S/SシーズンのFACETASMは「Leave Now」をテーマに掲げていますが、どういった考えから生まれたものですか?
 
落合:去年の1月に2022A/Wコレクションのルック撮影で、やんばるの森(沖縄県)に行ったんですよ。森の中に入って、まったく電波が入らないなか2日間過ごして。当然、SNSからも遮断されるわけですが、そこで感じたのは、いつの間にかインプットを忘れていたここ何年かのなかで、森から得られる情報がすごく新鮮で。
 
—情報が⼊らないからこそ“無”になれた、ということですか?
 
落合:森だから何もないとか、⼼がリフレッシュされる、というニュアンスではなく、都会で物作りするのとはまた全然違った創作の意欲、みたいなものが湧き上がってきて。⾃分が感じたこと、⼼動いたもの。そういったストーリーを純粋に洋服に落とし込む、ということがいますごく重要だと感じましたね。そのときに、⾃分で撮った森の写真をアーティストにコラージュしてもらって、それをプリントした⽣地を作って。
 
—今回は、世界的にも有名なバンド「BOREDOMS」のEYƎさんとコラボレーションされていますね。
 
落合:⾃分が20代の頃、難波のクラブのパーティーに⾏ってEYƎさんの追っかけをしていたんですが、それがどこからかEYƎさんの⽿に⼊っていたみたいで(笑)。DOMMUNE(渋⾕PARCO)でのEYƎさんの配信でゲストに呼んでいただいたときに、ちゃんとご挨拶させてもらいました。2021年に心斎橋PARCOで開催され、同年2⽉に渋⾕PARCOで開催されたEYƎさんの個展では、初めてコラボレーションTシャツを作らせていただいて。FACETASMとしては今回で2回⽬となるコラボレーションとなりますが、めちゃくちゃ嬉しいですよ。昔からのファンなので。