―作品の並び順や展示方法なども、板垣さんご自身がディレクションを？
 
そうですね、会場での並びとか、見え方とかを含めて考えさせていただきました。並びに関しては起承転結というか、描き始める前の段階で、このブロックにはこういうものを何枚、その次にはこういうものを何枚っていうのをあらかじめ決めて、ラフを描いてから制作しました。会場に並べてから一部変更したものもありますが、東京会場の時点でフィックスしているので、どの会場に来ていただいても同じ楽しみ方はしていただけるようになっています。
 
―大きな構想が先にあって、その中に作品を当てはめていくような手法だったんですね。初の個展ということで、苦労みたいなものはありましたか？
 
個展をする側になるのは初めてですけど、ふだん美術館とかで絵を観るときに面白いな、見やすいなと思うものはなんとなくあったので、それをベースとしながらという感じでしたね。やる側は初めてですけど、一応見る側としての経験はあったので。

―観る側からする側を経験して、何か気づいたことは？
 
なんだろう、見る側がいいなと思ったものが、必ずしも作者のマスターピースではないというか。それは、展示をする側を経験して感じましたね。
 
―東京、名古屋を経て、今回の大阪会場で楽しみにされてることだったり、期待されてることはありますか？
 
その土地その土地によってお客さまが違いますから、大阪の会場に来てくださる方どういうふうな見方をしてくださるのかなっていうのはもちろん楽しみです。ふだんイベントでも東京と大阪の二カ所でやらせていただくことがあるんですけど、肌感として雰囲気が違うなっていうのは感じるので、大阪の方々の反応が楽しみですね。

―ご覧になる方に、どんなメッセージを受け取ってほしい、どういう風に個展を楽しんでもらいたいですか？ 
  
そこはもう本当に、自由に見ていただけたらいいですね。作者側がなにかを提示してしまうとそこに縛られてしまので。好きなように見ていただいて、解釈していただければ、それ以上のことはないかなと思っています。